― 今回の特集テーマが「白のキセキ」です。20年前に行われた「白の奇跡」というイベントが復活するのですが、当時のイベント試合当日に先発登板されたのが和田投手だったのですが、覚えていますか。
「試合でイベントをやったのが初めてだったので、スタンドが白いユニフォームを着たファンの方で埋め尽くされていたのを覚えています」
― 2004年7月19日のオリックス戦でした。
「確かあの試合は谷さん(谷佳知選手)に4回にホームランを打たれたんです。チェンジアップでそんなに甘いボールでもなかったのですがうまくスタンドまで運ばれました。『あのボールで打たれたならしょうがないな』と思ってそこから切り替えて投げたのですが、終わってみたら9回をその1本だけだったので、『あれが外野フライだったらな。もう少し体制を崩して打ち取っていたら入ってなかったかもな。そうしたら完全試合だったのにな』と思ったのを今でも覚えています」
― 惜しい試合でした。
「今思えば、今まで投げてきた中で唯一完全試合が達成できそうな試合でしたね(笑)」
― 今年は20年の時を経て、「白のキセキ2024」という形でイベントが復活します。20年以上も現役を続けていると思っていましたか。
「20年前に経験したイベントがこうやって復活して、両方とも経験できるのは素直に嬉しいですし、長く現役でいられたからこそ経験できると思います」
― 2004年は現コーチの倉野信次コーチがキャリアハイの9勝を挙げ、新垣渚さんが奪三振のタイトルを獲得。三瀬幸司さんが最多セーブのタイトルを獲得。そして松中信彦さんが三冠王を獲得するという、すごいシーズンでした。
「すごいシーズンでしたよね。勝ち星は1位(77勝)だったのですが、プレーオフで勝った方が優勝になるという当時のルールで2位になったシーズンでしたね」
― 当時活躍されていた方が首脳陣にいると考えると、和田投手が今も現役でいることが際立ちますね。
「城島さんもフロントにいますしね。時が経ったなと感じます(笑)」